今回は、多忙なプロクリエイターやマーケターが直面する「インプット時間の枯渇」という課題に対し、一つの解となり得るおすすめのコンテンツを紹介します。
それが、文芸評論家・三宅香帆氏が公開したこちらのVlogです。
新大阪から東京までの約2時間半。これは単なるルーティーン紹介ではありません。「インプットを本業にするプロ」が、いかに時間を定義し、生産性を最大化しているかを学べる絶好の教材です。
この記事では、我々が「移動時間」の定義を根本から見直すための、再現性のある思考法を考察します。
Vlogから透ける「インプットのプロ」の思考
三宅氏の動画は、彼女が新幹線に乗り込むところから始まります。
驚くべきは、その圧倒的な集中力とインプットの密度です。
彼女は乗車後すぐに1冊目の『段階の世代』(堺屋太一)を読み始め、約1時間半で読了。その後、食事(おにぎり)を挟み、すぐさま2冊目の『未完のファシズム』(片山杜秀)に取り掛かり、東京駅到着までにほぼ読み終えます。
移動時間=約2時間半で、専門的な書籍を2冊読破する。これは単なる「速読術」の問題ではありません。注目すべきは、その行動を支える「思想」と「技術」です。
1. 思想:「インプット」を「コア業務」と定義する
我々はつい、移動時間を「仕事と仕事の合間の時間」と捉えがちです。しかし動画内の三宅氏にとって、新幹線は「読書(=インプット)をするための集中空間」として明確に定義されています。
彼女が『段階の世代』を読むのは、自身の連載(「なぜ夫は病院に行かないのか」)のための参考文献としてです。つまり、この読書は「趣味」や「教養」ではなく、アウトプットに直結する「仕事そのもの」なのです。
プロクリエイターやマーケターも同様です。クライアントの課題を解決する企画や、ロジカルな戦略を構築するためのリサーチを「すきま時間」に任せていないでしょうか?
三宅氏の姿勢は、「インプットは本業である」という強烈なメッセージを放っています。移動時間を「消費」から「投資」…いや、「知的生産時間」へと転換する覚悟が、プロフェッショナルの思考OSです。
2. 再現性:生産性を最大化する「環境」と「技術」
彼女のルーティーンは、その思想を支えるためのロジカルな技術に満ちています。
- 技術1:環境の最適化
- 彼女は新幹線に乗ると、イヤホン、着圧ソックスなど、集中と快適性を保つための「必須アイテム」を即座にセットアップします。これは、外部のノイズを遮断し、自身のパフォーマンスを最大化するための明確な戦略です。
- 技術2:アウトプットを前提とした読書
- 彼女は読書中、気になった箇所にボールペンで線を引き、ページの端を折ります。これは、読んだ情報を「ただ消費」するのではなく、後で自身の連載や評論に活かす(=アウトプットする)ことを前提とした「リサーチ」の技術です。
- 技術3:迷いの排除(食事)
- 彼女は食事として「ひっぱりだこ飯」のおにぎりバージョンを選びます。動画内では「本読みながら食べられるので好きですね」と語っています。これはプロの視点では「インプット(読書)というコア業務を中断しない」ための、極めて合理的な選択です。
成功の裏にあるこうした地道な工夫こそ、我々が学ぶべき「生きた知恵」です。
あなたの「移動時間」は何色か?
このVlogを見て、我々は何を自らの仕事に持ち帰るべきでしょうか。
三宅香帆氏という一人のプロフェッショナルが示すのは、「時間は作り出すもの」というありふれた標語ではありません。「時間は定義するもの」という、より能動的な仕事論です。
あなたの次の「移動時間」を、あなたは何と定義しますか?
それは、メールをチェックしSNSを眺める「消費」の時間か。それとも、クライアントの未来を左右するインプットを行う「知的生産」の時間か。
その「問い」こそが、ビジネスを躍進させるクリエイティブの第一歩となるはずです。
